「スパム発信地トップはピトケアン島」ってなんかちがくね?

ITmediaスパム発信地トップは「ピトケアン島」って記事の話。正確にはそのソースと思われるPitcairn Islands relays most spam per person, reveals Sophosの話。

人口当たりの比率で見ると、上位に浮上したのは南太平洋の英国領ピトケアン島、ニュージーランド領のニウエとトケラウ諸島。以下トップ10には、欧州の小国モナコ北大西洋の英領バミューダなど、人口が極めて少ない国や地域ばかりが並んだ。

(中略)

今回トップ10に挙がった小国は、人口比で見たスパム送信量が突出して高いとSophosは解説。南太平洋の遠く離れた島にあるPCだからといって、世界のスパム問題に加担していないとはいえないと指摘している。

「南太平洋の遠く離れた島にあるPCだからといって」とか書いてあるけど、ピトケアンといいニウエといいトケラウといい、国外向けに自国ドメインを大々的に売ってる国が多いあたり、どうもしっくりこない話だ。

調査方法を確認してないから*1断言できないけど、もしSPAMのメールヘッダ内の送信メールサーバのドメインを解析してるだけとかそんなんだったら「南太平洋の遠く離れた島にあるPCだからといって」ってのは違うんじゃないかなー。スパマーは単にここいらのドメイン買って名乗ってるだけで、スパム送信サーバはふつーにロシアとか中国あたりにあるんじゃないのかなー。

(14:10追記)

気になって仕方がないので、頑張って個人情報を入力してホワイトペーパーを読んでみたけど、人口あたりの云々に関連する情報は特に載っていないのだった。なんてこったい。個人情報入力損だなこりゃ。

そうなると、この話の出所が気になる。元記事をよくよく見てみると、このニュースリリースのソースはSophos社員のブログの記事「Spam per capita..」らしい。ブログ記事の段階では「南太平洋の遠く離れた島にあるPCだからといって」というくだりは見あたらない。人口あたりの数で見てみると違った見え方がして面白いね、という以上のことは語られていないように思える。

「南太平洋の遠く離れた島にあるPCだからといって」のくだりは、ニュースリリースになったときに付け加えられたようだ。ニュースリリース中の該当部分は次の通り。

Just because your PC is located on a remote island in the South Pacific doesn't mean it's not contributing to the global spam problem. All computer users, wherever they are in the world, need to wake up to the threats and ensure their PCs are properly protected.

ニュースリリース担当はこのブログを書いた人にちゃんと裏をとったのかなぁ。ブログを書いた社員は「国/地域別」じゃなくて「ドメイン名別」のつもりで書いたのかもしれないのに。

会社の出すニュースリリースなんだからそれなりに裏をとってると思いたいけど、ピトケアン島がホスティング事業をやっているわけでもなし、ピトケアン島にSPAM送信サーバが割といっぱいあるっていうイメージが全く沸かないから、この結果はイマイチ納得できない。

詳細なドメイン別SPAM送信中継数データみたいのがあれば自分でデータの信憑性を確かめられるのだけど。公開されてるかもわからんものをそこまで探すのは正直めんどい。

……あー、ついつい気になって結構な時間を割いてしまった。反省。

(さらに追記)

ITmediaの元記事、タイトルだけ「発信元」になってるのね。Sophosの元記事はちゃんと「relay」って書いてるのに。

ちょっと勘違い。これなら、ピトケアン島その他にあるサーバの数が少なくても、そのサーバがアホみたいな量のSPAMを中継しまくればこういう結果にもなりそう。

*1:ホワイトペーパーが公開されてるみたいだから調査方法を確認してやろうと思ったけど、なんか電話番号とか入力しなきゃいけなくて面倒になってやめた