Windows 7 Betaの細かい変更点を画像付きでだらだら書くよ

Windows 7のベータ版が公開されたのでいじってみました。Vista以前のWindowsから変わった点について画像付きでだらだらと感想を書いてみます。

とはいえ目新しくて大きな変更点(Internet Explorer 8搭載とか)はいろんな人がレポートしてくれると思うのでそこは薄めで。自分は誰も取り上げなさそうなところを中心に見てみました。

環境

Opteronを搭載したPowerEdge T105上のVMware Server 2.0に、次のような構成で仮想環境を作ってインストールしました。

OSの種類
Windows Vista」を選択
CPU
1コア割り当て(Opteron 1352)
メモリ
1GB割り当て
HDD
16GB割り当て

なお、T105にはサウンド機能が搭載されていないので、音周りに関しては全く見れていません。残念です。

インストール

(インストール中のスクリーンショットは撮っていません)

Vistaとほとんど一緒。画面項目のところどころが英語のままだったりですが、これは正式リリース時には訂正されるのでしょう。起動中に表示されるWindowsフラッグのアニメーションがカッコイイ。インストール途中でホームグループとやらの設定を求められたけどよくわからないのでスキップしました。適当に画面の指示に従い、だいたい30分程度でインストール終了。

起動

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Vistaですでにおなじみのログイン画面。違いは背景画像くらい。

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起動直後のメモリ使用量は309MB。Vistaがどうだったか忘れたから比較できないけど、たぶん小さくなっていると思う。メモリ2GB搭載が当たり前の時代とはいえ、小さいOSは大歓迎。

デスクトップ

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画面右下には「Windows 7 For testing purposes only. ビルド 7000」の文字が。「ビルド」だけ中途半端に日本語。海中の魚の壁紙と青系の配色で全体的に清涼感が漂う。今回試した環境ではグラフィックのハードウェアアクセラレーションが効かないためAero Glassは効果が得られないのだけど、サポートされている環境ではタイトルバーやタスクバーがきれいに透けたりするのだろう。

それはそうと黒色のIMEバーがものすごく調和を乱しているのが気になる。最小化すればタスクバーとドッキングするので溶け込むのだが。まあ、どうせATOK入れるからどうでもいいけど。

タスクバー

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スタートボタンはVistaと同様のWindowsオーブ。カーソルを乗せるとオーブからオーラ(?)がじわっとにじみ出すのがイカす(Vistaではオーブが明るくなるだけだった)。スタートメニューの構成はVistaとほぼ同じ。1階層目上部にあった「インターネットリンク」と「電子メールリンク」は撤廃されたぽい。まあ、使わないよね。あれ。

電源ボタンのデフォルト動作はシャットダウンに戻った模様。うちのPCはスリープや休止状態がうまく働かないので大変ありがたい変更です。やっぱあれですかね。電源切ったあと電源プラグも即抜いちゃうような人から苦情でもきたんですかね。

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既報の通りタスクボタンはアイコンだけの表示になっています。アイコンをクリックしてアプリケーションが起動すると、アイコンの周りに枠が表示されてアプリが起動中であることをアピールしてくれます。ちなみにスタートメニューの1階層目メニューもタスクボタンと同等の機能を持っているようで、起動中のアプリの横には枠の代わりに三角マークが表示されるようです。

ちなみに同じアプリケーションを複数起動すると、起動中を示すタスクボタンの枠が二重になった。もう一つ起動すると三重に。さらにもう一つ起動してみたが、さすがに四重以上にはならないようでした。

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タスクボタンの上で右クリックすると「Unpin this program from taskbar」とアプリケーション起動のショートカット、そしてアプリケーションごとのカスタムメニューが表示されます。「Unpin〜」をクリックすることでアイコンをタスクバーから取り除ける模様。従来で言うところのクイック起動バーからショートカットを削除するイメージかなあ。逆にタスクバーにアイコンを追加するには、スタートメニューなどからアイコンをタスクバーにドラッグアンドドロップすればよいようです。

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タスクバーのプロパティで設定を変更すれば、従来通りタスクボタンに文字を表示できる。アプリケーションが一つも起動していない場合はアイコンのみで、起動すると文字が表示される感じ。個人的にはこの方が起動中か否かの違いがわかりやすいように思う。

それから従来はクイック起動バーにあった「デスクトップの表示」は、タスクバー右端(時計の右隣)の長方形ボタンに変更された模様。自分は今までクイック起動バーの左端に配置していたので、なれるまでは戸惑いそうな予感。ショートカットキー使えという話かもしれないですが、私のキーボードにはWindowsキーがついてないのです。

あとなにが嬉しいって時計が標準で年月日時刻全部表示されているのが素晴らしい。さようならtclock

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非表示設定の通知領域のアイコンは、三角マークのボタンをクリックすれば、非表示アイコンをポップアップで一覧表示できます。個人的にポイント高いのはポップアップ内にカスタマイズ画面のへのリンクがあること。これで不要な通知アイコンをガンガン非表示にに設定できる。XP以前ではスタートメニューのプロパティからカスタマイズの画面へたどらなきゃいけなかったのが面倒だった(ちなみにVistaでは通知領域の右クリックメニューにリンクがさりげなく追加されていたのはご存じでしょうか)。

エクスプローラ

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エクスプローラバーがかなり変更されている。Vistaでは「お気に入り」と「フォルダツリー」の2ペイン構成だったが、ペインが取り払われて「お気に入り」「ライブラリ」「ホームグループ」「コンピューター*1」「ネットワーク」の5つをルートとするツリー群に変更されている。

そして、右ペインのリストビューでどんどん深いフォルダに降りていっても、エクスプローラバーのフォルダツリーが自動で展開されなくなった。ファイルシステムの物理フォルダ構成を意識させないような工夫なのかな。Mac的思想。ちなみにエクスプローラバーの空白部分で右クリックか、フォルダー オプションでVista以前の挙動に変更できるようです。

ここにも出てきている「ホームグループ」とは、ネットワーク上の共有ファイルをまとめて表示する機能っぽい。面倒なので試していないのでよくわかりませんがこの辺はおいおい紹介されていくのでしょう。

ちなみに複数アプリの起動を試しているときにわかったのだけど、これから開こうとしているフォルダがすでに別のウィンドウで開かれている場合、新しくエクスプローラを起動せずにそのウィンドウにフォーカスを移す挙動に変わったようです。この仕様で何が困るって、一気にエクスプローラを2つ立ち上げるようなマネがができないということ。タスクボタンを2回クリックしても、1回目のクリックで起動したエクスプローラのウィンドウがアクティブになるだけで新しいエクスプローラが起動しないわけです。1つめのエクスプローラの表示をいったん別フォルダに移して2つめを起動しなきゃいけないわけですね。めんどい。

Internet Explorer

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Internet Explorer 8 Betaが搭載されていました。正式リリース時にはBetaがとれるのでしょう。

Windows Media Player

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バージョンが12.0.7000.7000でした。UIも微妙に変わっていました。

Microsoft IME

バージョンが10.1.7000.0と微妙にバージョンアップしていました(Vista SP1では10.0.6001.0だった)。最近話題の変換精度の低下が改善されていたりするのでしょうか。まあATOK入れるからどうでもいいっちゃどうでもいい。

アクセサリ

Snipping Tool

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新規追加のアクセサリ。任意の矩形領域のスクリーンショットを撮れる。切り取った画像には蛍光ペンなどのツールで印をつけたりでき、その画像はPNGで保存できる。導入手順書やマニュアルなんかでスクリーンショットを作成するときに活躍しそう。追加でフリーソフトを入れなくていいのがいいですねー。正式リリース時にはどんな名前になるのだろう。「Windows はさみ」とかどうよ。アイコンまんま。

Windows Powershell

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バージョン1が先んじてWindows Server 2008に標準搭載されていましたが、ついにコンシューマ向けエディションのWindowsにも標準搭載キタ。しかもバージョンは2。Windows 7で標準搭載ということはWindows Server 2008 R2にもバージョン2が標準搭載されるのでしょう。ついにVBSとおさらばできる未来がすぐそこまで……バンザイ!

コマンドプロンプト

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IMEのステータスが常に右下に表示されている。IMEON状態じゃないのに「全あ」と表示されているのでバグっぽいが。そしてついに半角/全角キーひとつでIMEのON/OFFを切り替えられるようになったのは感慨深い。IMEを表示するのにAltキーを同時押しする必要がなくなったのはWindows 95か98あたりだったか。それでもコマンドプロンプトは今日までかたくなにAltキー同時押しでのIME起動を貫いてきたのにね。

HELPコマンドの出力を比較した限りでは、新しいコマンドは増えてなさそう(個々のコマンドレベルで変更があるかもしれないがそこまでは面倒なので見ない)。コマンドはVistaで大幅に拡充されたし、今後はPowerShellに移行していくのだろうから別にいいのかもしれない。

ペイント

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ペイントのUIがリボンUIに変更されている。そのほかタイトルバー左のクイック アクセス ツールバーといい、ステータスバー右のズーム用スライダーといい、全体的にOffice2007風な印象を受ける。

ブラシの種類が拡充されていて楽しい。画像はクレヨンブラシで文字を書いてみたところ。

ワードパッド

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ペイントと同様にOffice2007風のリボンUIに。やはりMicrosoftは今後リボンUIに統一していくつもりなのだろうか。いつまでもリボンUIを使いにくいと言っている場合では無いのかもしれないですね。

保存形式として新たに「OOXML Text Document」と「ODT Text Document」が追加されているのが特筆すべき点かな。でも相変わらず使う機会はないかも。普段触れるPCには大抵Word入っているからなぁ。

メモ帳

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見た目も機能もVistaと変わりなし。ところで今日初めて知ったのだけど、XP以前は改行コードがLFなテキストを開くと改行部分に謎のゴミ文字が表示されて見るに堪えない感じになっていたのが、Vista以降はゴミ文字が取り除かれるようになったんだね。写真は「あああ<LF>いいい<LF>ううう<LF>えええ<LF>おおお<LF>」というテキストをメモ帳で開いたもの。ゴミ文字が取り除かれ、改行がなかったことになっている(笑)。LF改行が正しく認識されればWindows Server系でUNIX由来なアプリケーションの設定ファイルの編集なんかをするときに地味に役立つのになぁ。

XPSビューワー

「アクセサリ」メニュー内じゃないけど一応。標準搭載になって優位性は増したと思うけど、いまさらPDFの置き換えは難しいでしょうねぇ。どうせならPDFビューワー機能も持たせれば良かったのに。

あるいは開いたXPSをPNGやJPEGで保存する機能があれば、Officeで書いた絵を画像に変換するのにすごい便利なのにな(オートシェイプでお絵かき→XPS Document Writerに印刷→XPSを画像に変換)。PowerPointならオートシェイプを画像で出力できるのは知っているけど、なんか出力結果の画像が汚いんだよねぇ。まあ、Windows 7にはSnipping Toolsがあるからそれでスクリーンショットを撮ればいいのか。

ゲーム

これもVistaと変わりなしかな? あまり見てないからよくわからないけど。VistaWPF化されてからというもの、ハードウェアアクセラレーションが効かない仮想環境上ではソリティアでさえも快適に動かないのが悲しい。

デスクトップ ガジェット

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既報の通り、Windows サイドバーが無くなって、ガジェットをデスクトップの任意の場所に配置するように変更。ガジェットはウィンドウの端に吸着(スナップ)するので、サイドバーっぽく並べることはできるみたい。

コントロールパネル

ClearType Text Tuner

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ClearType Text Tunerが標準搭載。それに際して内容も平易なものに変更されている。例えば、液晶のRGB並び順を選択させるなどといった専門的な表現はなくなり、様々な設定で描画したテキストを表示して、一番見やすいものを選ばせるようになっている。細かい調整がしたい自分としてはちょっと不満だけど。結局gdi++を使ってしまうので最近はどうでもいい気がしている。

ディスプレイ

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ディスプレイという項目が追加されている。要はDPI値の変更なのだけど「大 - 150%」というプリセット値が追加されているのが時代を感じさせる。高精細液晶モニタが増えてきた、あるいはこれから増えてくるってことなんでしょうね。早く携帯に使われているレベルのパネルでPC用液晶が作られないかなぁ。そしたらgdi++を使わなくてもきれいな文字描画が得られるだろうに。

Vistaでは設定変更にUAC認証が必要でしたが7では不要。

フォント

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エクスプローラのプレビューハンドラが実装されたらしく、ついにアイコンの状態でフォント内容のプレビューが可能に。Vistaまではプレビューハンドラが実装されていなかったので、アイコンをダブルクリックしてフォントビューワで開いてみるまでどんな書体かわからなかった。フォント好きな自分としては嬉しい機能。

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そして、エクスプローラ上でのTTCファイルの扱いが変わった。TTCファイルをダブルクリックすると「フォント ファミリの詳細」画面へ遷移し、TTCに含まれているフォントファミリを一覧できるようになった。ZIPファイルをフォルダのように扱う機能と似たようなものかな。

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フォント設定という項目が追加されている。この中で「Hide fonts based on language settings」という設定がデフォルトで有効になっている。この設定が有効な状態でメモ帳のフォント選択ダイアログを開くと、フォントの一覧にMSゴシックなどの日本語フォントと一部の英語フォントだけが表示されるようになる。これは便利かも。今までは使いもしない英語フォントがだらだらと表示されてなかなか目的のフォントにたどり着けなかったりしましたからね。しかしまあ「フォントをインストールしたのに一覧にでてきません」というFAQが目に浮かぶようだ。がんばれ各社のカスタマサポートの人。Microsoftに恨み言を言いながら明日も戦うのだ!

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それから「Meiryo UI」なるフォントが追加されているのを発見。メイリオに含まれる文字のうち、ひらがなとカタカナをCondensedしたもののようだ。MS Pゴシックに対するMS UI Gothicのような位置づけですね。確かにメイリオは横幅とるからなぁ……。しかし今までのスクリーンショットを見る限り、どこにも使われていないように見えるが。はて。

なにげにメイリオもバージョンが6.01にあがってますね(Vistaメイリオは5.00)。

個人設定

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テーマ中心に変更された。テーマの選択画面が刷新され、リストアップされているテーマアイコンを選択すると、瞬時に切り替わる。Vista以前のように無駄に時間がかかることはない(あの画面がモノクロになっていく演出はわりと好きだったが)。

コモンダイアログ

Fotolifeのアップロード容量制限でアップロードできず)

ファイルを開く/名前をつけて保存ダイアログはVistaとあまり変わらず。

フォント選択ダイアログでフォント名がそのフォントで描画されるようになった模様。Vista以前ではOSのダイアログは標準のフォントで描画されていた。Officeなんかでは個別に実現されていた機能だけど、全てのフォントをロードする必要があるせいか無駄に重たいから正直好きじゃない。

フォントは相変わらずMS UIゴシックのまま。とっととメイリオで統一したらいいと思うんだけど、なにかポリシー的な理由があるのだろうか。

不具合っぽい点

エクスプローラとかでCドライブにアクセスするといい確率で固まる。仮想環境下でのテストなのでそこの相性なのかもですが。

全体の感想

画面の印象がVistaに比べてシンプルで落ち着いたなものになっているのが好感触。Vistaはやたらとテカテカ光ってましたからねぇ。あとはフォント周りでいろいろ機能拡充があったのが個人的には嬉しいかなぁ。欲を言えばMacのように日本語フォントを綺麗にレンダリングできるようになってくれていれば良かったけど。

それからリボンUI。アクセサリに採用されているのを見てやっぱり本気なんだー、と実感したというか。さらに、エクスプローラやIEなどのメニューバーレスなインタフェース。Windows初期から続けてきた今までのメニュー+ツールバーの操作性が一般ユーザの共通認識としてやっとこさ定着してきたところなのに、ここでそれをうっちゃってしまうのがなんというか。

全体的にいい印象ではあるけども、この時点では大金払ってVistaからアップグレードしたいかと聞かれたら微妙だなぁ。これからシステム内部の話とか、どんどんWindows7のいいところがアピールされていくと思うので、その情報に期待することで今日はここでおしまい。気がつけば午前3時。ひゃー。

*1:いつぞやか報道があったとおり、カタカナ語の長音の扱いが変わっている。今までは省略されていた末尾の長音が付与されいるのがわかる