Kindleマンガ買いすぎたので紹介する(いわゆるなろう系中心)

目次

範囲と評価観点

2022年くらいからアホほどKindleマンガを買うようになり、2025年は過去最高額の課金をしてしまった。正月実家でやることもないので特によかったマンガを紹介したいと思う。

いわゆるなろう系小説のコミカライズが大半。原作小説は読んでいない。アニメ化作品のアニメも見ていない。なので、世間でとっくに話題になってて知られているものも含まれているかもしれない。

1巻目無料からの流れで読んだもの多数なので最新作は少ない。そしてある程度巻数があるものからのみ選出。

下記観点でTier分類をした。SとAだけ手厚めに紹介する。B以降は一言コメントだけ。

  • Tier S: 記憶に残っている。たまに読み返すことがあるほどには面白い。続巻が出たときには即買いする。おすすめ
  • Tier A: 話をあんまり覚えていないが続巻が出たとき最終巻だけ読み直すとやっぱり面白いので続巻を買ったりする。おすすめ
  • Tier B: 特筆すべき点はないが、なろう系フォーマット自体が好きなら普通に楽しめるもの。
  • Tier R/X: エロ要素ありのため隔離。だがTier A相当のものもある

なろう系類型解説

あくまで偏見に満ちた独自理解なので悪しからず。

  • 俺TSUEE(おれつえー)系
    • 理外の力を持った主人公が圧倒して周囲に称賛される系。主人公はそれを意に介さない態度をとることが多いが、主人公に自分を重ねて読んでいる読者視点ではチヤホヤされたい欲が十分に刺激されて良い。
  • 追放もの
    • 実力者だが周囲の理解を得られない状況にある主人公がコミュニティから追放され、別の環境で実力を認められて大成したり、追放した人間に復讐してスッキリする系のテンプレ。本当の自分はすごいんだぞ、と心の中だけで言い聞かせてウン十年経ってしまった人の自尊心を満たしてくれる。
  • 婚約破棄もの
    • 追放系の令嬢版。見る目のない婚約者に一方的に婚約破棄されるが、別の理解ある彼君に愛され、新しい環境で自分の実績も認められ、元婚約者やその簒奪者を見返すテンプレ。追放系と似ているが、自身の活躍はオマケで上位の男に愛されることが自分の価値の証明みたいなオチなのは婚約破棄系と勝手に分類してる。
  • 異世界転生もの
    • 現代日本などで死亡したのちに異世界で生まれ変わり、神的存在から特別な能力を授かり心機一転して人生をやり直す系。現状の人生がつらくて投げ出したい人への救済。やり直しはヒーロー的活躍だったりスローライフだったりと様々。自分が転生できるならスローライフ派かなー。
  • 異世界召喚もの
    • 異世界側の都合で現代日本などから突然呼び出される。転生系と違って同時に複数人が召喚されることが多く、そのうち主人公だけ不遇な扱いを受けるが、復讐心をばねに大きな力を得て召喚者への復讐を果たす。という流れが多い。要はクラスのいじめられっ子の復讐ストーリーなので、ついつい作者のバックグラウンドを邪推してしまいがち。
  • 悪役令嬢もの
    • 最終的にろくな目に合わない立ち位置の悪役令嬢として転生してしまい、なんとかバッドエンドを回避しようと立ち回った結果、主人公役令嬢以上に大成する系。乙女ゲームの世界に転生するパターンの場合、夢女子願望を満たしたいが○○は私なんか愛さない!みたいな矛盾の解決になっていて感心してしまった。
  • 契約結婚もの
    • やむを得ない事情で令嬢と立場あるイケメンが契約結婚し、お互い愛情を持たない形だけの夫婦となるものの最後は結局惹かれ合ってラブラブになる話。契約期間の縛りがあるので気持ちの変化のトリガーとしてうまく機能してる。よう考えるなーって思った。
  • 中国後宮もの
    • ドロドロとした女の政治の世界である中国風ファンタジー世界の後宮が舞台。主人公は権力者たちにいびられたり陥れられたりするが、持ち前の機転でそれをうまく乗り越えていく感じ。自分が男のせいか、争う舞台の題材(歌とか舞とか着物とか、接待の準備とか・・)にイマイチピンとこない。
  • 奴隷もの
    • 現代的価値観を持つ転生主人公が、奴隷制度上等のファンタジー世界で奴隷を偏見なく公平に扱うことで奴隷が感激し、主人公に忠誠を誓う感じの話。主人からの命令に逆らえないという保険をかけて女性を得るためのツールとして奴隷という設定を使っているような感じが醜悪だよねーって思ってる。途中までテンプレ展開で最後刺される設定のやつとかないかなー。

※リンクはすべてアフィリエイトです。

Tier S/A

魔女と傭兵

1点目からなろう系じゃなくて大手マガジン作品で申し訳ないが本当に好きなんでこれから紹介させて。

割と王道のファンタジー系。しいて言えば正体隠して俺TSUEE系。異端的存在である魔女の主人公女と凄腕傭兵の主人公男が偶然の出会いから雇用関係を結び、異大陸で正体を隠しながら冒険者生活する話。

魔女がかわいいんだわ。人間社会に興味津々でチャレンジ精神旺盛な田舎の少女みたいな性格だけど見た目はすごい美人系なんだよね。好き。傭兵も脳筋無骨系かと思いきや思慮深く頭も回る性格で様々な事態に冷静に対処していく。スマート。契約関係ではあるが二人はお互いを信頼して支えあっており、これから関係性がどうなっていくのか楽しみ。変わっても変わらなくてもどちらでもいい味がしそう。

それにしても主人公男がベルセ○クのガ○ツ然とした印象が強すぎてもう少し何とかならんかったのかとは思う。好きだけど

廻天のアルバス

大手でごめんなさいその2。みんな大好きタイムリープもの。

序盤は攻略RTAの様相でストーリーが展開されるが、それには理由があり。巻き戻しを繰り返すうちに発生するイレギュラー、徐々に明らかになる真実。タイムリープ単位で話がまとまっているので間延びもなく次へのワクワクが維持されやすい。なんか批評みたくなっちゃったな。

マンガとしての出来がいい。いま出版見たらサンデー連載なんか。やっぱ大手マンガ雑誌掲載は違うな。なろう系ばっかり読んでるとその出来の良さが染みる。

異世界黙示録マイノグーラ ~破滅の文明で始める世界征服~

生前プレイしていたゲームの世界に転生して無双する系。

で、あらためて感想書こうとして気づいたが構成的にはよくあるテンプレで別にそこまで面白ポイントないな?ってなったんだけど、何が魅力ってやっぱヒロインのアトゥの可愛さなんよね。

右も左もわからない主人公をよく知る唯一の理解者ポジション、表情豊かで可愛げありで感情肩入れしやすい。だけど戦闘ではそのちっこい体から恐ろしい触手を生やし敵を一瞬でゴミの山に変える人外ぶりを発揮する、そのギャップに惚れるんだよな。連載スピードがちょっと遅いのが難点。

シリアルキラー 異世界に降り立つ

異世界転生チートスキル無双モノ。ただしチートスキルで無双しているのは敵側で、主人公は生前シリアルキラーだった経験と頭脳でそれらを倒していく話。

主人公自身は強くないので、知恵と周囲の人間をうまく使って立ち回るのがワクワクする。絵がうまい。倒すべき敵単位で話が展開していくからテンポが良い

ベル・プペーのスパダリ婚約~「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!

虐げられてきた令嬢が嫁ぎ先で理解のある彼くんに出会って輝く系・・・かと思いきや、令嬢がスパダリでイケメン皇子をメロメロにするという切り口が新鮮。

猫かぶり状態のヒロインの話すテンポや言葉回しはおっとりした控えめな少女で可愛らしいうえ、素の状態は豪傑で爽快感がある。真の姿はエロすぎて1人で3倍おいしい。

そして信じられないほど絵がうめえんだわ。どういうこと?と思ったらR18も描く絵師か。道理で・・。はやくもっと二人のイチャイチャを見せてくれ。BL風味も多少あるのでそれが苦手な人は注意かも

雑用付与術師が自分の最強に気付くまで

追放系。主人公は自分に自信がなく卑屈で人間関係嫌いの陰キャ。その性格が災いしてパーティーを追い出されるが、実は極限状態で人外じみた力を発揮できる素質があり、その力の声を徐々に自覚して戦闘狂へと身を落としていく話。

よくある追放系と違うのは、真の実力を認められ信奉者が増えた後、そこから元のパーティーに「ざまあ」するわけでもなく、かといって勇者化・ハーレム化するわけでもなく、それらをもう一度捨て自分の陰キャ素質を受け入れ、狂気と向き合っていくっていうのが痺れる。このまま狂気に飲まれていくのか、はたまた人間側に戻っていくのか、今後の展開がすごく楽しみ。

なおネットでよく知られる「チー付与」とは別のマンガ。なんかぱっと見の雰囲気が似てて混ざるが

片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~

俺(の師匠)TSUEE系。自認「普通の中年おっさん」の主人公は町の剣術道場で剣術指導の日々を送っていたが、成長し出世したかつての教え子たちが主人公の才能を惜しみ、主人公を表舞台へ引きずり出し、真の実力を世に知らしめていく話。

変にイケメンでもない枯れ掛けた見た目が好印象だし、そこから繰り出される一流の剣術で難敵と渡り合っていくのを見ると自分まで後方腕組み弟子化してしまう。

最近アニメ化されて多くの人が知ることになったので、「俺が先に好きだったのに・・」という謎の感情を抱いている

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。

虐待されてた幼い子供の主人公が家族と街を捨てて一人旅し、行く先々で良心的な大人たちのぬくもりに触れる話。

どこの行き先でも主人公を気にかけてくれる優しい大人たちがいて、皆主人公に愛情を注いでくれる。子供は愛に包まれて育っていってほしい、という親心を存分に満たしてくれる。半面、子供がいないと良さはわからんかもしれない。そこを抜きにするとストーリーが特別面白いわけではない

ロメリア戦記~伯爵令嬢、魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織する~

婚約破棄&追放モノ。だけどその後に別の理解ある彼くんに嫁ぐとかではなく、地方領地の領主となって自らの手足を動かし、領民の信心を掌握して自分の国を立ち上げていくお話。

主人公がイケメン美人で好み。でもしたたかで策略家でもあり、為政者、商人、指揮官のと複数の顔を使い分ける。生きざまに魅力を感じるのよね。

ただ連載が遅いのがなー、1年に1冊しか単行本が出ないのがなー。ちゃんと完結してくれるのか不安である

そうだ、売国しよう~天才王子の赤字国家再生術~

国家運営モノ。弱小赤字国家の為政者である主人公はやっかいな状況の国を捨てて隠居生活を願うが、なんだかんだ政治手腕を発揮し本人の思惑とは裏腹に国は拡大、諸外国との様々な問題に巻き込まれていく話。

矢継ぎ早にやってくる面倒ごとを次はどう捌いてくれるのかとワクワクしながら読める。主人公に思いを寄せる女性が何人も登場するが、どいつもこいつも政治的な重要ポジションなので簡単にくっついたりしない。ライバルのようでお互いを信頼し合っている関係性が好き。

理想のヒモ生活

タイトルから想像しにくいがこれも国家運営モノ。突然異世界召喚された主人公が女王の婿として迎え入れられ、様々な政治の思惑に翻弄される話。

主人公は普通のサラリーマンだがまあまあ頭の回る人物で、このうますぎる話の裏や周囲の人間の思惑を察知し、人間関係をうまく立ち回りながら立場相応の人物に成長していくのが面白い。

好きすぎてこの記事書いてる途中で読み直し始めちゃって朝4時になった。

雪と墨

実家から追放された没落令嬢と狼系罪人の逃避行もの。現実と向き合えず逃げる令嬢を肯定して甘やかしてくれる理解ある彼君、俺も欲しい。

一応徐々に自分の傷と向かい合っていくが、そのままドロドロに落ちてもいい味がしそう。二人を眺めているだけでニコニコになる一品。

隻眼・隻腕・隻脚の魔術師 ~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔術の探求をしたいだけなのに~

俺TSUEE系。主人公が理外の力を持った魔術師で、素の時は世間知らずで生活力ない感じだが、魔術を語るときは雰囲気変わってなんかすごい感じになる。那須きのこ好きなんだろうなあ。自分も好き。

Sランクパーティから解雇された【呪具師】~『呪いのアイテム』しか作れませんが、その性能はアーティファクト級なり……!~

追放系。テンプレ展開だけど主人公のスキルが呪具作成ってところがユニークかな。主人公に好意のある女性は出てくるけど主人公は呪具オタクなので興味がない。安易に色恋展開にもっていかないのは良い。

最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える

バトルマンガ*1の雰囲気若干あるが、主人公が知略系バッファーなので駆け引きとかあって好き。

悪役令嬢の矜持~婚約者を奪い取って義姉を追い出した私は、どうやら今から破滅するようです。~

婚約破棄&悪役令嬢もののメタ。テクニカルなので初手で読むのはお勧めしない。テンプレ的な令嬢ものを十分に摂取してから読むべし。めっちゃ新鮮で面白いよ。1巻がクライマックス。

Tier B

個人的に特筆すべき点はないが、なろう系テンプレ好きなら楽しめると思う。

  • 酔っ払い令嬢が英雄と知らず求婚した結果 ~最強の神獣騎士から溺愛がはじまりました!?~
  • もう興味がないと離婚された令嬢の意外と楽しい新生活
    • 婚約破棄もの。
  • 追放された悪役令嬢は断罪を満喫する
    • 婚約破棄、悪役令嬢もの。
  • ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する
    • 悪役令嬢もの。
  • 殲滅魔導の最強賢者 無才の賢者、魔導を極め最強へ至る
    • 俺TSUEE系。
  • 転生ババァは見過ごせない! 元悪徳女帝の二周目ライフ
    • 俺TSUEE系。異世界内での転生もの。
  • 華麗に離縁してみせますわ!
    • 悪役令嬢ものと思いきや俺TSUEE系である。
  • 悪夢から目覚めた傲慢令嬢はやり直しを模索中
    • 悪役令嬢もの。異世界転生とのMixで現代パートがあるのが特徴的か。
  • 嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~
    • 俺TSUEE系。主人公は自分を強いと思っていないが周りが主人公を信奉している感じ。いうて実際強い。
  • 私の推しは悪役令嬢。
    • 悪役令嬢もの。だが主人公はヒロインに転生。好きな悪役令嬢を推すために立ち回る話。
  • 悪党一家の愛娘、転生先も乙女ゲームの極道令嬢でした。~最上級ランクの悪役さま、その溺愛は不要です!~
    • 溺愛もの。危険な香りのするイケメンマフィアに愛されたいやつ。
  • ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで
    • 異世界召喚もの。スキルが珍しくて新鮮。
  • 異世界スローライフを(願望)
    • 異世界転生のハーレムものだね。
  • 異世界転移して教師になったが、魔女と恐れられている件 ~アオイ先生の学園奮闘日誌~
    • 異世界転生。黒髪ストレートクール系の先生が好き
  • 暗殺後宮~暗殺女官・花鈴はゆったり生きたい~
  • 処刑された賢者はリッチに転生して侵略戦争を始める
    • 異世界内転生もの。世界平和のための侵略
  • 残り一日で破滅フラグ全部へし折ります ざまぁRTA記録24Hr
    • 悪役令嬢もの。断罪まで1日しかないのが新しい
  • 魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?
    • 奴隷もの。
  • 金装のヴェルメイユ ~崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む~
    • ショタ?とおねえさんのイチャラブ。
  • 断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す
    • 悪役令嬢もの。
  • ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~
    • 中国後宮もの。キャラ入れ替え
  • リアリスト魔王による聖域なき異世界改革
    • 異世界転生もの。知略系かなと思ってたけどFGO的な感じになってきてうーん

Tier R

性的シーンあるので隔離。内容としてはTier B-C相当。

  • 科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌
    • ファンタジー世界のモンスターが実在するとしたらどのような生体構造をしているのか考察してみた話。めっちゃおもろい。でも後半は文化や哲学、価値観側に寄っていくので作者の強い思想を浴びる感じになるのがややつらいか。Tier A相当
  • 織津江大志の異世界クリ娘サバイバル日誌
    • ↑のスピンオフ。サバイバル寄り。R指定Dr.ST○NE。
  • 願いを叶えてもらおうと悪魔を召喚したけど、可愛かったので結婚しました~悪魔の新妻~
    • ショタ主人公がお姉さんキャラとイチャコラする話。内容はないのでTier Cかな・・ 転生したら序盤で死ぬ中ボスだった-ヒロイン眷属化で生き残る-
    • ゲームの世界に転生系。ゲームのバグ技(と性技)を活用して生き残る。Tier Bくらいには面白い
  • 拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます
  • 異世界NTR~親友のオンナを最強スキルで堕とす方法~
    • タイトル印象よりはだいぶ硬派。親友への友情のために悪役を買って出る感じ。Tier B相当
  • 脱法テイマーの成り上がり冒険譚~Sランク美少女冒険者が俺の獣魔になっテイマす~
    • 特筆すべき点はあんまりないがマンガとしての品質ある。Tier B相当
  • 寝取り魔法使いの冒険
    • まあこれはエロ本寄りか・・。Tier C相当
  • よくわからないけれど異世界に転生していたようです

Tier X

完全にエロ本。なんで全年齢で売られてるのか意味わからん

  • 淫靡な洞窟のその奥で
  • 不老不死少女の苗床旅行記

*1:バトルシーンの絵を楽しむためのマンガで、話の中身が薄いやつ

STM32直接実装で自作キーボード基板を作った話

本記事はキーボード #2 Advent Calendar 2025の12/7の記事です。

12/6はぱぱパンダさんの記事「2025年総括:打鍵感を追い求めて迷走した一年でした(キーボードのお話)」でした。私もフォームを詰めたりいろいろ試してみましたが、ミチミチに詰めて余裕がなくなると打鍵時の衝撃が吸収されず逆に固くなってしまった経験があります。指がキーに加えた力をどう吸収させるか、どの程度反発させるかのクッション性を筐体や打鍵環境全体で考慮する感じなんでしょうかね。まだまだ奥が深いです。

12/8はt-miyajimaさんの記事です。お楽しみに!


また、本記事は下記記事の精神的続編でもあります。

ymkn.hatenablog.com

なぜSTM32

冒頭の記事の通り、拙作YM60JIS/YM60AではGH60互換のレイアウトを実現するために開発ボードを使わずRP2040の直接実装にチャレンジしたのですが、RP2040は水晶とFlashの外付けが必要なのでそこそこ部品数が多く、狭い基板スペースへの設計実装に苦労したんですよね。

自作キーボードで定番採用のATmega32U4のようにFlashを内蔵しているMCUに乗り換えたいなと思い、QMKのMCU互換情報を見たところ、STM32ファミリの実績が豊富っぽかったのでチャレンジしてみようかなと思った次第。

以前購入したKeychron Q9もSTM32L432を使っている*1とのことなので、世界規模製品で使われてる安心感がある、というのも決め手ですね。

選ぶ

STM32ファミリは非常に幅広いラインナップがあるので、どれが自分の目的に合っているのか選ぶのも一苦労です。が、幸いにも公式Webサイトが用途別や機能別によく整理されており、とても探しやすかったですね。

https://www.stmcu.jp/stm32family/ より

今回は有線接続のシンプルなキーボードを作るので、ワイヤレス機能も高いプロセッサ性能も不要ですから、超低消費電力およびメインストリームカテゴリのうちQMK互換性があるSTM32L4かSTM32F0あたりが選択肢になります。

Keychronは超低消費電力版のSTM32L4採用でしたが、初めての挑戦なのに変わり種?から手を出すのは怖いなと思い、今回はメインストリームのSTM32F0を採用することにしました。

しかも、そのうちSTM32F0x2製品ラインは「水晶不要のUSB2.0 FSインタフェース」を備えているとのこと。Flashどころか外部の水晶すら不要になる可能性があるのでは?と期待が膨らみました。

今回はできるだけ多いFlash容量を確保しつつフットプリントを最小化したかったので、128KBのFlash容量でUFQFPN48パッケージのSTM32F072CBU6に決めました。

RP2040との主なスペックの違いは次の通りです。

項目 RP2040 STM32F072CBU6
メーカー Raspberry Pi Foundation STMicroelectronics
アーキテクチャ ARM Cortex-M0+ (デュアルコア) ARM Cortex-M0
動作周波数 最大 133MHz 最大 48MHz
パッケージ QFN-56 UFQFPN-48
フラッシュメモリ 外部SPI Flash (通常2-16MB) 128KB (内蔵)
SRAM 264KB 16KB
GPIO数 30本 37本
USB USB 2.0 Full Speed Device USB 2.0 Full Speed Device
動作電圧 1.8V - 3.3V 2.0V - 3.6V
書き込み方法 UF2ファイル (USB Mass Storage) SWD, UART, USB DFU

知る

採用製品モデルも決まったので設計をしていきます。まずは知るところから。

データシートをNotebookLMに突っ込んでAIにアレコレ聞きながら理解を深めます。とりあえずはピン仕様の理解から入るのが(私にとっては)分かりやすいです。

下図はSTM32F072CBxの機能別シンボルですが、これ見るだけでも大体雰囲気わかりますね。ざっくりいえばVDD/VSSの電源系とBOOT/RESET、PAx/PBx/PCxのGPIOがあるだけです。

ぱっと見でわからないのはGPIOのPA11/PA12がUSBデータ線のピンとして兼用になってるところくらいですね。その辺はちゃんとデータシート読んでいきましょう。

STM32F072CBxの機能別シンボル(配線済み)

電圧は3.3Vの1系統だけで、1.1V系もあったRP2040に比べてよりシンプルですね。Flashもオシレータも内蔵なのでSPI/XIN/XOUT関連の配線も不要。本当にこれだけでいいんか・・?と設計中は不安になるくらいでした。

今回の設計で必要な理解は下記のような感じです。

ピン名 用途
VDD/VSS デジタル用電源とそのGND。USB電源5VからLDOなどを通して作った3.3Vをここに繋げばいい。近傍にデカップリングコンデンサを置こう(100nFを3個、4.7µFを1個が推奨)
VDDIO2/VSS IO用補助電源とそのGND。VDDとOn/Offの状態が同期するように同じ線を繋ぐ。近傍にデカップリングコンデンサを置こう(100nFを1個、4.7µFを1個が推奨)
VDDA/VSSA アナログ用電源とそのGND。アナログ回路無いならデジタル電源と同じ線でいい。近傍にデカップリングコンデンサを置こう(10nFを1個、1µFを1個が推奨)
VBAT 補助電源。外部バッテリーが無い場合はVDDに繋ぐのが推奨とのこと
NRST リセットピン。Active Lowなのでここにスイッチを設置してGNDに繋ぐと、スイッチを押したときにMCUがリセットされるようにできる(データシートに推奨回路あり)。今回は使ってないので寄生リセット防止用のコンデンサだけ繋いでおく(100nF)
PA11/PA12 GPIOでUSB_DM/USB_DP兼用。USBのデータ線をつなぐ。STM32F0x2では組み込みのインピーダンス整合機能があるので終端直列抵抗*2の接続は不要とのこと。嬉しい
BOOT0 ブートピン。これをHighにした状態でリセットするとROMに書かれた組み込みブートローダーが起動する。QMK Toolbox等USB DFUが喋れるツールを使ってFlashファームウェアを書き込める
PF0/PF1 GPIOでOSC_IN/OSC_OUT兼用。もし外部水晶を接続するならここに繋ぐ。今回は内部オシレータで動かすので使ってない
その他PAx/PBx/PCx GPIO。UARTやSPI等様々な機能も兼用

内部オシレータは本当に使い物になるのか?(余談)

さて、ピンもわかったことだし謳い文句を信じてさっさと設計してもいいのですが、RP2040から入った私には「内部オシレータは精度悪くてUSB通信には使えない」というイメージが強いです。ちょっと脱線ですが調べてみました。

RP2040にも一応内部オシレータはあるのですが、これはリングオシレータ(ROSC)という簡易的なもので、USB通信に必要な精度の高いクロックは出せないとされています。そのため高精度な外部水晶を別途接続して正確なクロックを入力してあげる必要があるわけです。

STM32F0x2の内部オシレータはRCオシレータというもので、これはRP2040のリングオシレータよりは精度が良いものの、それでもこれ単独ではUSB通信には耐えないとのこと。そこでSTM32F0x2では「SOF信号による自動トリミング」という技術でカバーしている模様。

USB通信では「SOF (Start of Frame)」という特別なパケットがホスト機器(パソコンなど)から1ms±0.0005msという高い精度で送信されてくるとのことで、これを正確な1msのタイミング情報とし、内部オシレータのクロックとのズレを計測、調整(トリミング)して正確なクロックを作り出すのだそうです。ほえー。

もちろんこれはUSB通信が生きていることが大前提となるので、デバイス側がSleepモードに入ったりしてホストからのSOFが停止すると機能しません。が、Sleepモードから復帰しSOFが再開するまでは大体数百μs〜数ms程度らしく、その間入力されたキーはハードウェアもしくはQMKのソフトウェアレベルのバッファで待つなどして若干遅延すると思われますが、人間に知覚できるレベルではないので問題ないっぽいです。

STM32F0x2でもRP2040と同様に外部水晶を接続することで安定した高精度クロックを常時供給できますが、キーボードにおいてはそこまでしなくてもよさそうですね。

あとKeychron Q9のQMKファームウェアのソースを見る限り、外部水晶を使う設定*3になっていませんし、基板を眺めても水晶っぽい部品が見当たらないので、おそらくKeychronも内部オシレータで済ませていそうです。あんたほどの人がそう言うなら・・という気持ちになったのも大きいです。

設計、実装

あとはKiCADで線引くだけです。USBと電源周りはYM60JIS/YM60Aのときとほぼ同じ設計。ESD保護の部品変更してフェライトビーズだけ足したかな。

回路図。キーマトリクスは省略

MCU周辺のPCBレイアウト。RP2040に比べて大幅にすっきり

部品点数とコスト

最終的な部品点数は下記のとおりです(キー数で異なるスイッチソケットとダイオード、今回追加のフェライトビーズを除く)。

部品種別 RP2040 STM32F072CBU6
MCU 1 1
USBコネクタ 1 1
LDO 1 1
ESD対策IC 1 1
Flash 1 0
水晶 1 0
抵抗 7 3
コンデンサ 17 11
30 18

物理サイズの大きなFlashや水晶が不要になったのと、MCU近傍に配置しなきゃいけないコンデンサの数が2/3くらいになったのが大きいですね。

反面、部品コストは若干高くなりました。数が大幅に減ったとはいえ、抵抗やらコンデンサは1個$0.01以下ですし、少し高い水晶やFlashなんかでも$0.5もしません。

これに対してSTM32F072CBU6が1個$2.37とRP2040の1個$1.1に比べ結構高く*4、そこで相殺された感じです。まあでも得られたメリットを考えると、ほぼトントンで済んだのは非常にコスパを感じますね。

ファームウェアを書く

YM60JIS等と同様にQMK/Vialで書くのですが、STM32固有の設定はほぼありませんでした。keyboard.jsonのbootloaderをstm32-dfuに、processorSTM32F072に変更したくらいですね*5。ほかはRP2040の時と記述内容は同じです。下記記事の通りです。

zenn.dev

終わりに

教育目的の汎用品として作られたRP2040に対して、商用製品であるSTM32はユーザーのニーズに合わせて便利な機能が搭載されているのが強みですね。当初目的の実装スペース削減が達成できて嬉しいです。

この記事は今回STMで実装した3行30%キーボードneigeで書きました。下記BOOTHページから購入できますので気になった人はぜひ。

ymkn.booth.pm

KiCADやVialファームウェアのソースは私のGitHubリポジトリで参照できます。

github.com

github.com

*1:製品ページ最下部の仕様欄に記載あり

*2:RP2040では27Ωの抵抗をMCU近傍に繋いでいた。入手性がいいのが0603だったので少し大きく、邪魔だった思い出

*3:mcuconf.hで最低でもSTM32_HSE_ENABLEDの定義が必要だが見当たらない

*4:2025年7月時点でのJLCPCB価格

*5:外部水晶を接続する場合はmcuconf.hに色々と設定を書いてMCUに外部水晶を使うことを指示する必要がありましたが、結局内部オシレータで済んだのでこれは不要になりました

天キー vol.9参加メモ

天下一キーボードわいわい会(天キー) Vol.9に行ってきましたので参加メモです。

tenkey.connpass.com

今回の展示

今回は3行30%キーボードNeige(ネージュ)の、試作品含めた計9種のバリエーションのケースを持ち込み、それぞれについて造形方法、素材、表面処理、製造業者、一言コメントの説明書きを付けて展示しておりました。

ケース

バリエーションをざっくり書いておくと下記のような感じです。ずいぶん数作ったなあ、という感じ。

  • 造形方法は3DP(SLA,SLS)、CNC
  • 業者はJLC、Elecrow、RapidDirect
  • 素材は樹脂、PC、アルミ
  • 表面処理はSanding、Bead Brasting、Spray Painting、E-Coating

ここでは説明書きのデータは載せないでおきます。実物と合わせて読んでナンボなので。12月のキー部にも持っていくつもりですので、見逃した方、もっとじっくり見たり質問したりしたい人はぜひ。

電着塗装(E-Coating)

アルミで白を出したかったんですが、アルマイトでは原理的に白が実現できないんですよね。ということで電着塗装にチャレンジしてみたというわけです。

思ったより綺麗な仕上がりで、アルミの重さと相まって非常に所有感があり大満足。なのでついつい黒も作ってしまいました。まさにピアノブラックとはこのこと。

電着塗装はそもそも扱っている業者が少なく*1、選択肢が無いのがつらいところですね。品質コントロールプロトコルを探るところからスタートなのでしんどいですが、電着塗装気に入ってしまったので頑張ろうと思います・・。

neige bar

あと新アクセサリーとしてneige barというのを作りました。

アルミ素材アルマイト+ヘアライン仕上げでけっこう高級感ある仕上がりです。画面上だとピンとこないので形状デザインには結構悩みましたが、実物をケースに装着したらいい感じだったので成功ですね。

neigeは(アルミ専用カバーを使わない場合は)四隅をナット留めで固定するため、キーボード上面からナットが露出する形になります。これはこれでちょっとしたアクセントと言えなくもないのですが、やはりネジは隠してオシャレ感を出していきたい気持ちもあり。そんななかMENBOUさんが自作のサイドバーを作ってくれて、これに触発されました。ありがとうございます!

できれば販売したいと思ってますが、コスト面など若干課題ありなのでもう少し試行錯誤したいと思います。

気になった展示

※全体的に写真が切れてたり曲がってたりと申し訳ない・・記録用だと思って雑に撮りすぎました。ご容赦

はまさん

配色がかわいい。写真無いですが裏面もこの青が使われていていいんですよねえ。丸っこいフォルムも優しさがあっていい。左手のロータリーエンコーダーが左手デバイスに良さげ。キーキャップまで全部3DPで自作ということですごい。

右手のトラボ右側はクリックボタンになってて、ケースの弾性で押せるようになってるやつ。これ自分もやってみたい。奥側配置なのはクリックボタンとの操作性意識なんでしょうね。

良きです。

muinoさん

キーボードももちろん良いのですが、キャラクターとか名刺とか説明カードとかの周辺物が可愛くて気になってたんですよね。センス良~~となった。キーボード本体含め色合いも全体的に彩度無い感じがオシャレ。

肝心のキーボードの写真を撮り忘れたのでご本人様のツイートを引用。

トラボが小さめで左下配置、親指の腹に向かって斜めっており、自然に指に当たる感じが心地よかったです。手の下配置より邪魔にならなくていいかも。可愛い雰囲気ですが、分割、無線、ガスケット、電源ボタン、2つのキーキャッププロファイル!と全部入っててすごい。

やっぱこう、テーマカラーがあると印象強いよな、自分もやりたいなと思いました。まあ手遅れですが・・。

鬼のアカガネさん

革張りキーキャップ!かっこよすぎる。

これオイルとかでちゃんと手入れして育てていけばかなりいい感じに輝いてくるんじゃないでしょうか。かなりの手間が必要そうですが、それも含めて製品として姿を変えて完成に近づいていく、という在り方が唯一無二感ありますね。どう製造されているかなど気になっちゃいましたが、タイミング合わずお話聞けず、無念。

ついんてさん

既製品かと思ったら自作品でびっくり。おそらくSNSやっておられない?始めてお見掛けしました。超重量級の金属製横長キーボード。片手でひっくり返すことはできませんでした。RAW筐体にカーソルキー上のさりげない意匠がカッコいい。裏側にはウェイト有り。

最後の方で少しだけお話伺えたのですが、他の方と会話中?で一つ二つ質問して退散、daihukuさんのインタビュー受けてたのであとで動画見ようと思います・・。

お名前不明

キーボード界隈には背面デザインで魅せるジャンルがありますが、抜きんでてすごい彫刻のものが展示されていたので思わず写真を撮ってしまいました。機械でこういうの掘れるんですかね??もしかして手彫り?すごい。

説明書きを見る限り、表面はAwekeysの銅キーキャップ装着されているぽい。総額がすごいことになってそう。

蓮乃 紫さん

最近は磨き職人としてもご活躍中の紫さんの宝石キーキャップ実物見てきました。これはもうジュエリーですわね。

石素材のアルチザンはいままで色々あったと思いますが、基本的には石自体がキーキャップ形状に削られているもので、紫さんのようにクラウンと石という構造のものは初めて見たような気がします。

展示やご本人のお着物の出で立ちもあって宝石店の店頭のような佇まいがいい感じでした。

massさん

皆さんmassさんの展示はトラボに注目していたかと思いますが、私は最近始まったJLCCNCの板金サンプルばかり食い入るように見ていました。すみません。

当たり前ですがスイッチプレートの穴の精度は良好そうでした。板厚が1.5mmと1.2mmあるのでまさにスイッチプレートにちょうどいいですね。最近アルミ素材から離れていましたが久々に試してみるのもいいかも。できればPCとか樹脂系に対応してくれると最高なのですが。

アルマイト緑とか赤とか青は製品に採用するには勇気がいるので作ったことが無く、実物が見れて良かったです。粉体塗装も初見。やはりアルマイトに比べれば若干厚くなっている?ように感じましたが、誤差の範囲かもしれません。

めちゃくちゃありがたい、大変参考になりました。

Mogma Productsさん

新作のモックがありました。写真撮り忘れてしまったのでご本人のポストを引用。

以前購入させていただいたFlip Flowとは逆に外側に折りたたまれる構造で、金属フレームがアクセントになっていてカッコいいです。まだまだ形状は試行錯誤中ということで、アイディア(という名の私の希望)について会話させていただきました。ロースタ待ってます!

d.///さん

なんとneigeの最高なカスタムケースを作っていただきました。最高すぎる。

私の発注ミスの緑基板(DIY版)をご購入いただいたようで、それに合うようにスイッチプレートからケースまですべて自作されたそうであまりにすごすぎる。しかもですよ、意匠は拙作Henge40のテーパーデザインから取り入れてもらったそうで二重に感激。それでいてd.///さんの特徴的なフレームのデザインがうまく溶け込んでいて完璧なハーモニー。ただただすごすぎるんですよね。圧倒的感謝。

ほか、Gravityのd.///さん版ケースも展示されており、こちらもハイクオリティなんですよね。

いやー、販売予定とか無いですかねー。欲しいなー。どうですかねー。

おわりに

neigeをご購入いただいた方が何人も話しかけてくださって感激でした。ついつい盛り上がって長々と話してしまい、楽しかったです。なかなかクセがあり使いこなすのに忍耐が要りますが、可愛いヤツなので愛してあげてください。

天キーは定期的に全国から同好の士が集まる場ということもあって、実際に使ってもらっている方からの声が聴ける機会が得られ、なんと有意義なイベントかなと。

回を重ねるごとに参加者も増え、展示品のクオリティも上がり、ついに年3回開催になるとのことでコミュニティの盛り上がりが止まりませんね。今回もいい刺激をたくさんいただきまして、新しい構想のアイディアがいろいろ湧いてきました。まあ、まずは新しいことより次のキーケットに向けてしっかり準備ですが・・。

この記事はneige(電着塗装白ケースneige bar付)で書きました。

*1:簡単にオンラインで発注のできる業者の中で、という意味。Alibabaとかで探せばいくらでも出てくるとは思う

TOKYO KEYBOARD EXPO 参加レポ(個人出展者)

これは2025/9/23に開催されたTOKYO KEYBOARD EXPOの個人出展参加レポートです。展示側目線多め

※写真撮る暇なかったので文字ばっかです。あと長い

TOKYO KEYBOARD EXPO (トーキョーキーボードエキスポ、TKX) とは

出典: https://tkx.yushakobo.jp/tkx2025/

50を超える国内外のキーボードメーカーが一堂に会する日本最大級のPCキーボード展示・販売イベントです。自作キーボード好きならお馴染み遊舎工房zFrontierの共同主催です。

日本では天下一キーボードわいわい会キーボードマーケットトーキョーなど同人系のキーボードイベントが大きな盛り上がりを見せていますが、商業メーカーが大規模に集まるイベントはTKXが国内初ではないでしょうか。

そして今回そんな記念碑的イベントの個人作家枠にお誘いいただくという貴重な機会をいただきまして、出展者側として参加してきたというわけです。

お誘いいただいたときは「ようわからんけどキーケットみたいな感じかな、面白そ~」と深く考えずに即答でOKしたのですが、蓋を開けてみると個人枠はわずか8枠、みな完成度の高いプロダクトで有名な錚々たるメンバーでした。

個人枠の顔ぶれ。カッコいいロゴ作っておけばよかったな・・
出典: https://x.com/yushakobo_shop/status/1957744122112143742

ここに混ざっていいのか・・?とビビり散らかしましたが、まあむしろ周りがこれだけ有名な方々なら自分は埋もれて目立たんやろ、と開き直って楽しむことにしました。

準備

販売は任意とのことでしたが、やはり多くの人に見てもらえる機会ですし販売もしたい、ということで旧作Henge40と新作neigeを持っていくことにしました。

neigeとHenge40。これが自分の精一杯の映えです

実はお声がけいただいたのが開催1か月半前くらいだったのですが、ちょうどそのころは工場でneige基板の量産真っ只中であり、諸々考慮するとTKXには間に合わないことが判明、急遽別業者で簡易版を追加製造し、一部部品を手ハンダすることでなんとか若干数準備できたのでした。ハンダ付け、1枚くらいなら楽しめますが何枚ともなるとさすがに辛いですね・・。

ちなみのこのとき工場で量産してた基板は自分の発注ミスで緑色になってしまい製品に使えず、別途DIY版として格安放出したのでした。ケース無しの玄人仕様でしたが爆速で売れてびっくりです。

ケースまで自作してた玄人の皆様もいらっしゃったようでただただ感謝です。基板寸法図しか公開してないのにすごい。

開幕大混雑、途切れない人の流れ

アキバUDXに到着。出展者入場時間にもなっていないのに、すでに一般参加者の待機列が形成されていてビビる。これ後でわかるんですがほぼmoNa2/roBa狙いの人たちだったんですよね。

その列を尻目に関係者口から早めに入場させてもらえてサクッと設営。会場は結構ゆとりある配置で余裕を感じました。荷物をたくさん広げても隣とぶつかることもなく。大変快適でした。

開場して一瞬でmoNa2/roBa狙いの列が形成。大人気の話は聞いていましたが本当にすごい。

ただ会場入り口から出口付近のmoNa2/roBaブースまで待機列が伸びてしまっており、私も含め周辺のブースへのアクセスが不能な状況に。これにはさすがに辟易しました。おかげで人も来ないのでしばらく待機列を眺めるタイム。次回があるなら運営さんには大人気サークルの配置場所をご配慮いただきたいところ・・。

全てを売り切ったのか、しばらくすると行列が解消されて人が流動的になり、私のブースにもボチボチと人がやってきたのでした。そこからはもう人が途絶えることはなく、休む間もなく閉会までずっとお客さんとお話させていただきました。ハチャメチャに疲れましたがそれ以上に喜びがありました。本当にありがとうございます。

客層としてはキーケットとは若干違って、一般層(=非キーボードオタク)が多めな印象でしたね。秋葉原という立地、商業メーカー中心、販売オンリーではない、というところで、少し興味があるくらいでも気軽に参加できたのがよかったのかもしれません。

neige好感触

無謀にもワンオペで臨んだために、とにかく忙しくてブース対応中の細かい記憶がほとんど無いのですが、全体を通して持ち込んだいずれのキーボードにも興味を持っていただけたようで、持ったり眺めたり試打したり説明を読んだり質問をいただいたりと、作者としては喜び、感謝の気持ちでいっぱいでした。

その中でも特にneigeは好感触でしたね。やはり3行30%という(一般には)ほとんど見かけない大きさの第一印象が良かったようで。かわいい、小さい、これヤバい、どう使うの、スペースどこ、これ無理でしょwwなどの声をいただき、多くの驚きを与えられていたようです。

立てて置いておいたキーマップ表を見ながら試打されている方が多く、30%の使い方をイメージアップするのに役立っていたように思います。本当はmassさんのところのように試打用のアプリを用意したかったのですが、ちょっと間に合いませんでしたね。

あとHenge40は今年3月のキーケット2025に出した旧作だったのですが、こちらも反応を多くいただけて嬉しかったです。値段設定や傷のこともあり少々振るわず悩ましかったのですが、刺さる人には刺さったようで、心惹かれていた様子に嬉しくなりました。めっちゃ値下げしたので傷とか気にしない人、ぜひ。

ついでとばかりにYM60JISも並べておいたので、普通の60%、ゴツくてギラギラした40%のHenge、薄くて軽くかわいい30%のneige、と対比になっていたのも、後から思えば効果的だったかもしれません。

サークル名とロゴ、案外アリだった

当サークル名「1u猫キー屋」とそのロゴは分かりやすさ覚えやすさ最重視で決めたもので、正直製品との関係性も哲学も特にないわけですが、TKXのように初見さんが多いイベントでは大変有効に働いていましたね。特に女性と子供に受けが良かったように記憶しています。

英語表記もある

今回はサークルロゴを旗のようにして高く吊るしていたのもあって、結構見つけやすかったんじゃないでしょうか。なんか語呂も悪いし1uって何やねん*1とかありますが、とにかくあの猫のところ、と覚えていてくれさえすればOKなわけで。

TKXでは日本語名のサークルがウチだけだったのでそこで圧倒的に目立てたのも良かったですね。

ASKさんがカタカナ表記ではありましたが

あとたまたまですがneigeに装着していたnSAのキーキャップに猫の印字があって、これ欲しい!と言われてしまいました。たまたまだったんですが。作るか、ノベルティとして・・。

NuPhy WoB & BoW nSA

オシャレサークルに囲まれて、もっと煮詰めたサークル名とロゴにすればよかったかなと少し後悔していたところでしたが、狙い通りの働きをしてくれたので、まあこれはこれでアリか・・と思いなおせました。飽きるまではこのブランドで行きます。

自作キーボードの今後

TKXにて日本のキーボードシーンを目の当たりにして海外キーボードメーカーさんはそれなりに商機を感じたと思いますし、今回大人気だった分割トラボスタイルの製品が近々投入されるであろうことは想像に難くありません。

ニッチと思われていた領域にも企業が入ってくると、もはや個人の自作キーボード開発者が単独で大きな収益を上げるような展開は難しくなってくるかと思います。今後はNapeのように企業と共同開発するなど、何らかの形で強い資本とコラボレーションする事例が増えてくるでしょう。

このような企業資本の流入や同人開発者の商業化の流れを見て、(古き良き個人同人の)自作キーボードというシーンが終わりに向かっていくのでは?と危惧する声もちらほら聞こえますが、私はそんなに心配していません。

確かに分割トラボなど広く需要がありそうなフォーマットは企業勢によって掘りつくされていくのかもしれませんが、それでも細かい違いまで含めればバリエーションなどいくらでも生まれますし、そのような細かい需要やニッチ領域は企業としては手を出しずらいと思います。

実際今回私が展示/頒布したのは、3行しかなくスペースキーもないコンパクトさで横細長い可愛さ重視のneige、反対に無駄に金属たっぷりでデカくて重くて金ピカで存在感のすごいHenge40、とかなりニッチ目のものでしたが、ブースに訪れてくれた人の声を聴くとこのような他にない尖ったコンセプトがむしろ好意的に受け入れられていたように感じました。個人開発者はいままでと変わらず、好きや拘りを突き詰めていけばいいんじゃないかと思いますね。

もちろん、既製品の模倣や軽めの改善じゃダメなのかというとそんなことはなくて、そもそも趣味としての自作キーボードの本質は、作る楽しさ、見てもらえる喜び、使える自己満足などにあると思っていますので、作りたい気持ちがあればじゃんじゃん作っていきましょう。

私もまだ飽きてはいないので、作り続けようと思います。

おわりに

この記事はneigeで書きました(ね、本当に使ってるでしょ)。

*1:五十音順になった時に先頭になることを狙ってました

続・自作キーボードのキーの減らしかた(3行30%編)

60%~40%までのキーの減らし方について書いた下記記事の続きとなります。

ymkn.hatenablog.com

この記事で扱う30%キーボード

30%で比較的メジャーなのは、いわゆる「QAZ」と呼ばれる40%からShiftやControlなどの左端の1列を省いたジャンルかと思います。

しかしながらこの記事ではQAZではなく、スペースキーを含む最下段の行を省略した「3行30%」のキーボードを取り扱うことにします*1

30%に取り組む前提

30%や40%のキー数が少ないキーボードではレイヤー機能の活用が必須になります。そのため40%に慣れていれば30%の挑戦も比較的容易ですが、もし60%以上のキーボードしか使った経験がない場合はおそらくレイヤー機能の基本的なテクニックから学ぶことになるでしょう。そのような人はまず前の記事を参考にしてください。

ymkn.hatenablog.com

キー置き換えの考え方

下記のような40%キーボード*2からの移行を考えます。

3行30%は4行目のキーをすべて置き換えなければなりません。すなわち、Windowsキー、Altキー、ImeOff/Onキー、レイヤーキー、そしてスペースキーなどです。それぞれ個別に見ていきましょう。

レイヤーキーをアルファベットキーに割り当てる問題

この40%ではレイヤーキーをスペースキーの左右に割り当て、親指で長押しする想定でした。3行30%でも同様に親指を活用したいところです。ホームポジションに指を置いたとき、ちょうど親指の位置に来るCキーとMキーの長押しをレイヤーキーに割り当てます。

ただし、専用のキーに割り当てることができていた40%と異なり、3行30%ではアルファベットという頻繁に使用するキーへの割り当てであるため、そのままではいくつかの問題が起きてしまいます。

例えば「も」のように「M+母音」を連続で高速に打鍵する場合、Mキーの打鍵がレイヤーキーと判定されてしまい、「お」と打たれてしまうことがあります。このストレスを避けるにはVialのQMK Settings > Tap-HoldHold On Other Key PressをOffにします(デフォルトでOffのはずです)。

※注:以前のバージョンのVialファームウェアではIgnore Mod Tap Interruptという設定名で、Onのときに同等の効果が得られていました。試作版のneigeをお持ちの方はこちらの設定名になっているかと思うので間違えないように注意ください

Altキー、Winキーと長押しの問題

使用頻度が比較的高いAltキーは元々の位置に近いXキーの長押しに割り当てることで、Alt+Tabなど使用頻度の高い入力も違和感なく行えるかと思います。

同様にWinキーもZキーあたりに割り当てたいところですが、これをやると日本語入力で「ザ行」を入力しているときにWin+AやWin+U、Win+Eなどが誤って入力されると非常にストレスになります。そのためWinキーは日本語入力で使わないQキーに割り当てています。

ImeOff/Onとダブルタップの問題

40%ではImeOff/Onキーをレイヤーキーの短押しに割り当てていました。しかし3行30%ではレイヤーキーの短押しはそのままCキーとMキーとするほかありません。

なるべく40%のときと使用感を合わせるためにCキーやMキーの2回押しに割り当てることを考えましたが、アルファベットキーに2回押しを割り当てると「communication」や「occur」などCやMが連続で登場する単語を打つ際にうまくいきません。

したがってここは妥協し、ImeOff/Onのトグルキーである漢字キーをCキーレイヤー側に割り当てました。C+TabやC+Spaceの組み合わせは、昔からのIme切り替えキーである「Alt+漢字」や「Ctrl+スペース」に近い操作感です。

悪くはないんですが、個人的にImeOffとOnは独立させたいのでもう少しいい方法が無いか探索中です。

2025/9/26追記:

やはりトグルが気に入らないので、Fn1+TabでImeOff、Fn2+TabでImeOnとなるように変更しました。これなら無変換/変換キーを備えるキーボードを使うときの操作感に近いのでより適切に思っています。しばらくこれで暮らしてみます。

2025/12/12追記:

どうもコンボとデュアルロールキーの相性が悪いようです。

今はFn1レイヤーのMキーにFn3を割り当てて、Fn3レイヤーをファンクションキーレイヤーにしています。C+Mのコンボと似たような操作感(わずかにCの方を先に押す)で実現できるので良さげです。

どうにもできなかったスペースキー

そして肝心要のスペースキー、これも40%までの慣習に従って親指で押せるようにしたかったのですが、レイヤーキーや修飾キーと違ってスペースは短押しで入力できないと困るために、Vキーなど近い位置のアルファベットキーに割りあてることができません。

Vキーは位置的にはベストですが、Vもまた使用頻度の高いキーであるために、スペースを割り当ててしまうとアルファベット入力が苦痛になってしまうんですよね。

なので短押しが空いているキー、すなわちCtrlもしくはShiftに割り当てるほかありません。Shiftは非常に押しにくい位置にあるため、最終的にはCtrlキーの短押しにスペースキーを割り当てました。

小指という扱いづらい指ではあるものの、ホームポジション隣であり押しやすい位置なのが救いですね。初めは無理があるかと思っていましたが、慣れれば特に困らなくなりました。

使いどころが難しかったコンボ機能

コンボは異なる2キーの同時押しに別のキーを割り当てる機能ですが、誤爆が思ったより多かったので私には使いこなせませんでした。あと単純に押し下げに必要な力が2倍なので重たいですね。

2025/9/26追記:

エクスプローラExcelで頻繁に使うF2キーがどうしても必要になり、Fn1+Fn2のコンボでFキーを定義した3レイヤー目に移動するようにしました(下図の緑字)。両手を使うならば同時押しの重さは気になりませんのでいい感じです。

長押しを割り当てるべきでないキー

文字入力やショートカット入力においてキーを長押しする機会は少ないため普段は困りませんが、ゲームなどではWASDやスペースキーの長押しが必要なケースがあります。これらのキーに長押しの機能を割り当ててしまうと思った操作ができなくなり困ります。

WASDは割り当てを避ければいいのですが、スペースは長押しがCtrlになっているためここだけどうにもなりません。

そのためスペース長押しが必要なゲームをするときは、それを考慮したゲーム専用レイヤーに切り替えています。

WASDは開けておく前提で、Ctrlの位置をSpaceのみに割り当て直している

おわりに

3行30%は親指を活用しにくい点から正直なところ効率的とは言えない配列かもしれません。しかしながらコンパクトかつ横長のフォルムはそれを補って余りあるほどの魅力があると私は思っています。慣れれば案外普通に使えるもんです。皆さんもぜひ試してみてください。

この記事は現在販売準備中の3行30%キーボードneige(ネージュ)で書きました。

ymkn.booth.pm

*1:私がいま設計している新しいキーボードが3行30%だからです

*2:これは拙作Henge40です

天キー vol.8参加メモ

天下一キーボードわいわい会(天キー) Vol.8に行ってきましたので参加メモです。

tenkey.connpass.com

今回の展示

  • 開発中の3行30%キーボードNeige(ネージュ)
  • 先日のキーケットで発表した金属塊キーボードHenge40
  • 定番品のANSI風の日本語キーボードYM60A(JIS配列のYM60JISは今回お留守番)

Neige

開発中の3行30%の試作品を持っていきました。Neige(ネージュ)という名前も初お披露目。

ケースデザインの方向性について悩んでいたので、見てくれた人にいろいろ意見を聞いてみました。おかげさまでだいぶ方向性定まりました。ありがとうございました。

  • 角をより丸くすべきかについて、現状の角ばったデザインのほうが好みという意見が圧倒的多数
  • 左右の対称性について、対称であるべきという意見がやや多め
  • 前側面のサイドボタンについては好意的な反応が多い、物理ボタンではなくタッチセンサーでもよいのではとのアイディアも
  • シルバーのカラーが好感触。黒ケースとの合わせも意外に反応良かった(下半分が影のように溶け込んで薄く見える効果も)

サイドボタン、つけたいんだけどデザインとの両立が難しそうなので今回はコンセプト優先かな、という感じです。

気になった展示

ごはんださん

3Dプリンタで出したすごく綺麗なキーキャップを配布されていました。3Dプリンタ製のキーキャップって積層痕のガサガサが気になるイメージだったのですが、これはそれがほとんど目立たず、まるで射出成型品のようにツルツルで驚きました。自分もトライしてみたい!

d.///さん

ある日Twitterで突然製品クラスのものを出してきてひっくり返った思い出。タッチパッドでオーソで狭ピッチの30%という属性てんこ盛りのやつが展示されてました。LumeLevitasというそうです。それ以外のものも含めて余りにもカッコいい。

Lofree Japanさん

Lofree Flow LiteのJIS版が展示されていました。これが製品化されるとロープロのISO Enterキーと分割スペースキー(2uと2.25u?)の入手性が上がることが期待できるんですよねえ。JISキーボード設計者としては非常に注目しています。US版のFlow Liteを持っていますがキーボード自体も非常に出来がいいので、JIS版出たら売れると思いますね。Nuphyさんあたりにも追従してもらって、ロープロキーキャップの選択肢が増えてほしいなあ。あとスタビを単体で売ってほしい。

あたるのさん

ヘラジカのツノイメージですって。すごい。自分には思いつきもしない。私はどうしても平凡に納めてしまうので、尖ったデザインで設計されている人を見ると尊敬の念を抱きますね。

Hioryさん

パームレスト一体型筐体の迫力に圧倒されます。しかもアルミCNCなんですって。設計者目線ではどれほどコストがかかったのだろうと想像してしまいます。しかも静電容量スイッチだそう。

素敵デザイン案をTwitterでポストされてて気になる・・。

なかがわさいさん

真ん丸なキーキャップが珍しくて。めちゃ可愛い。触った感じもコロコロしてて楽しかった。

Jezail Funderさん

特徴的な形状のキーキャップに惹かれました。PBT、Dyesub、ロープロ。中国のメーカーの方だそうです。普段はTaoBaoで売ってるとのこと。TaoBaoは日本人に難しいからAliExpressでも売ってくれと言ってみました。

キーキャップばかりに目を奪われてましたが配列もいいですね。スペースの隣に1UあるのでImeOn/Offを置けます。YM60A的に使えますね。

Miyabiさん

アルミキーキャップ。ケースもアルミでフルアルミの見た目がカッコいいのはもちろん、これ実際打ってみると程よい重量感が非常にいい感じでした。アルミなのとロープロなのがいいんだろうなあ。AwekeysさんのMXサイズのものとはまた違った感触。

ふえさん

ULPです。薄い。ノートPCのようなアイソレーションデザインがよいですね(左下)。これ自分も設計しようと思ったんですが、普通のロープロスイッチとキャップだと背が高くて、あまりカッコよくできなさそうなんですよね。もうちょっと入手性が良ければなあ・・。

GreenKeysさん

アクリルブロック塊すごい。こういうの会社の受付に置いておきたいですね。自分で会社作ることがあったらやろうっと。

おわりに

今回も非常に楽しかったです。顔見知りの方も増えたし会話も弾みました。その反面、初めての方とあまり話せなかったので時間配分難しいなあという感じです。

次のキー部は地方開催っぽいので東京開催はないのかしら?どうなんでしょう。9月にキーフリがあるとのことで、そこが次になるかもですね。私はさっそく販売側で参加申し込みしました。いろいろ不用品を放出しようと思いますのでお楽しみに。

この記事はNeigeで書きました。

自作キーボード作者が使う道具

@Murasaki_min さんインスパイア記事です。もっといろんな人の道具を見たいので盛り上げようと思い私も書くことにしました。

note.com

せっかくなので個人的評価も併せて書いていこうと思います。基本全部自分で使ってるしお勧めなんですが、全部必須かというとそんなこともないのでその辺の塩梅を。

  • ★★★ ... もうこれがない生活は考えられない
  • ★★☆ ... あったほうがいい。ないとつらい
  • ★☆☆ ... なくてもいい。あったら便利

アフィリエイトリンクを含みます。

ハンダ関係

最近はJLCPCBがスイッチソケットまでPCBAできるようになったので機会は減ったけど、ProMicroやRP2040-Zeroなどのマイコン使うなら最低でもそれのハンダ付けはいまだ必要。

こて、こて台、ハンダリール台、ハンダ

まず紹介する前に。これから道具を揃えようとしている初心者の人は、とりあえずAmazonの安いはんだ付け入門キットみたいなのを買えば良い。これから紹介するような高いものをはじめから買う必要ない。自分も初めはこれだった。2500円で必要なの全部入ってるから。

ということで紹介していきます。

  • PINECIL – スマートミニポータブルはんだごて S
    • ★★★ 元祖?USBハンダごて。デジタル調温かつ爆速で温まるのがいい。何がいいって、すっかり片付けたあとに作業漏れに気づいて再びハンダごて用意しなきゃ、みたいな時も待ち時間なくすぐ使い始められるのがいい。ちなみに今なら類似品が大量に存在するのでそっちの方が安くていいかもしれない。
  • 白光(HAKKO) こて台 FX-600/FX-601/PRESTO/DASH用 633-01
    • ★★☆ こて台。Hakkoのゴツいやつ用なので、正直USBハンダごてはサイズが合わないしデカすぎ。けどポン置きするやつは転がしそうで怖かったので、このスポっと入れるタイプであること自体はとても満足してる。あとこの金たわし型のこて先クリーナーはとてもいい。スポンジ濡らさなくていいし、こて先の温度も下がらない。雑にズボズボ突っ込めるのも楽。
  • 太洋電機産業(goot) はんだリール台 ST-51 日本製
    • ★★☆ ハンダリール台。ちょいデカイけど安定感は抜群。ガイドが畳めるのがしまうときコンパクトでいい。もう一回り小さいのがあったらよかった。まあ正直類似品でもっと安いのはありそう。
  • 太洋電機産業(goot) 精密プリント基板用 鉛入りはんだ Φ0.8mm スズ60%/鉛40% 70gリール巻 ヤニ入り SE-76008 日本製
    • ★★★ ハンダ。本当は共晶ハンダ φ0.8㎜ スズ63%/鉛37%って方を買ってたんだけど取り扱いが無くなっていたので似たようなやつをリンクしてる。別にこだわりがあったわけでもない。マイコン使う自作キーボードで一番小さい部品はダイオードかLEDだと思うけど、それらにはちょうどいいサイズ。まあたぶん鉛が4割でヤニ入り0.8mmであれば何でもいいと思う。

ハンダ吸い取り線、低温ハンダペースト、吸煙機

フラックス、ルーペ、固定クランプ

綿棒、紙ウエス

  • 綿棒
    • ★☆☆ 近所の薬局で買った普通のやつ。フラックス掃除のためにフラックスクリーナーを付けて基板をこする。んだけど、頭が柔らかすぎて部品のエッジとかハンダのトゲとかに引っ掛かってすぐけば立つのが若干微妙。聞くところによると基板掃除用の綿棒が売られているらしいが高いらしい。お金を出せる人は買ってみてはどうだろうか。あとやったことないけど歯ブラシが細かいところまで磨けていいらしい。
  • クレシア キムワイプ S-200 【62011】 3箱セット販売(200枚×3ボックス)
    • ★☆☆ リンクはキムワイプ。写真に写ってるのはモノタロウで買った紙ウエス。基板の汚れなどを拭き取るときにティッシュだと柔らかすぎて細かい繊維が大量に付着して最悪なことになるので、これらのキムワイプ的なものがあるといい。安いし。

テスター、ヒートガン

  • オーム電機 デジタルテスター 普及型 大型ロータリースイッチ トランジスターチェック機能付き TST-KJ830 08-1288 OHM
    • ★★★ テスター。主にダイオードの導通に使う。ダイオードの両足をハンダ付けした後だと修正が大変なので、片足を付けた段階でテスターを使って向きに間違いがないか電気的に確認する。そして両足付けた後はスイッチソケットのパッドとダイオードの間で導通確認する感じで使う。これだけの用途なので高級機は全く不要、この1400円のでいい。PCBA不具合があった場合の調査にも使うけど、テスターで原因が分かったためしがないのでその用途のことは気にしなくていいと思う。
  • [asin:B0BNB556QZ:title]
    • ★☆☆ ヒートガン。部品剥がしに使う。なんだかんだハンダ付けミスるので結構活躍してる。実際買ったのはもう取り扱いが止まってたので類似品をリンクしてる。安物のせいでノズルが1種類しかなく、細かい部品だけ剥がしたいのに周囲を巻き込んで溶かしがち。これから買う人はノズルサイズ変えられるやつがいいと思う。

ピンセット

ラジオペンチ

写真にはペンチとニッパーも映ってるけどほぼラジオペンチしか使ってない。

(いい)ハサミ

  • コクヨ はさみ ハサミ サクサ チタン・グルーレス刃 ブラック HSM-PTA100D
    • ★☆☆ 小学生の頃に買ったこの緑色のハサミをずーーーっと使ってたんだけど、何かのきっかけでグルーレス刃という存在を知ってこれを買った。でも強粘着のテープ切ったら結局糊が激しくついたのでがっかりしたけど、新しいハサミの切れ味がすごくて感動したので、これでなくてもいいけどハサミの新調をお勧めしたい。今まで引っかかってうまく切れなかったプチプチとかがスルスル切れて気持ちいい。あと刃の色がカッコいい。

ネジ回し

定規、巻き尺、ノギス

クラフトテープと透明テープ

梱包用のテープたち。キーボード販売してるとメチャクチャ使う。売らないならそんなに要らんと思う。

  • ダンボールワン クラフトテープ
    • ★★★ 段ボール梱包用。リンク張っておいてなんだが自作キーボードの梱包用としては別にお勧めではない。というのも粘着力が強すぎる。こういうのは引っ越し用の箱とか重量物の梱包に使うべきだ。ネコポス箱とかには100均のよわよわクラフトテープで十分に思う。
  • ニトムズ 透明梱包用テープ No.3303 50mm×50m J6030
    • ★☆☆ 透明な梱包用テープ。これもリンク張っておいてなんだが全然お勧めではない。粘着力が異常に強すぎるのと、ブチブチ裂けてストレスがMaxになる。一度端っこがくっついてしまうとなかなか取れないので次使うときつらい。とはいえビニール袋梱包の時はクラフトテープだと見た目が汚いので、こういう透明テープを使うと見た目が良い、という意味で持っていた方がいい。繰り返すがこれじゃなくていい。
  • 寺岡製作所 クラフトテープカッター 50mm幅用 2枚入 No.012 シルバー
    • ★★★ クラフトテープカッター。これいつぞやか単品でTwitterで紹介したけどメチャクチャお勧め。これがない時期は都度ハサミでテープを切ってたけど、面倒だしハサミは汚れるし切り口は斜めになるしでまあまあ面倒だった。これがあればハサミを取り出さずに簡単にまっすぐカットできる。金属製で信頼感がある。

段ボールオープナーとレターオープナー

  • 長谷川刃物 CANARY 段ボールのこ ダンちゃん フッ素コーティング キャップ付 DC-190FC
    • ★★★ 段ボールオープナー。写真のと同じのを見つけられなかったので類似品をリンク。自作キーボードやってると死ぬほど段ボールを開ける機会があると思うけど、ハサミでやるとあっという間にボロボロになるので専用品があったほうがいい。ナイフ形状なのでハサミより持ちやすいし、鞘が付いてるのでうっかりその辺をひっかくこともない。
  • アッシュコンセプト(h concept) +d ペーパーナイフ バーディー ブラック D-670-BK
    • ★☆☆ レターオープナー。自作キーボードやってると輸入消費税の支払いとかで封書を受け取ることがまあまあある。ハサミで切っても全然いいんだけどレターオープナーだと綺麗に切れるし何よりオシャレ感があってテンションが上がる。おすすめ。あと見た目もかわいいから机に置いておくだけで様になる。

電動ドリル、リューター、やすり

主に3Dプリント製のケースをミスったときになんとかするために使う。

  • オークセール 電動ドライバー cocoon ADC-102WH
    • ★☆☆ 本来電動ドライバーなんだど電動ドリルとして使ってる。ドリルのビットが先端尖ってるのと平坦なの2つ付属してる。これ手のひらサイズでUSB電源だけどSLAのプリントケースに穴をあけられるパワーがあるし、アルミケースの穴を少しだけ広げることもできた。電動ドリルって基本デカくて邪魔なのでこういう小さいやつあるといいっすよ。
  • ダイソー ミニルーター
    • ★☆☆ リューター。手でヤスるのはつらいので、たくさんヤスる必要があるなら絶対あったほうがいい。
  • ダイソー ダイヤモンドやすり 3本セット
    • 手動やすりもあるに越したことはない。捨て基板折った後のやすりがけはこれで十分。

キーキャップ/キースイッチプラー

マイク、照明、背景

作ったキーボードは撮影・録音したくなるもの。

おわりに

まだいろいろあるんだけど力尽きたのでこの辺で。みんなの道具も見せて~~~。

この記事は設計中の3行30%のキーボードで書きました。